海辺の地図

未完成の地図
適当にぽつんと
現在地を記して
空きビンにつめた

知らなかった
地図の海
地図の空
見えない国境線

海辺には
知らない国の文字が
刻まれていて
波が打ち寄せるたび
一文字
また一文字と
きえてゆく
僕の名前

地図に無い国に忘れてしまった名前
読むことのできない名前

今更しょうがないと
いつもと同じように
水平線が明るめば
忘れてしまっている



名前の無い地図を見つけて
ぼくは海辺の地図と名づけてみた
うっすらと書かれた記しが
ぼくの海辺を思い出にした。